2次元超音波風向風速計
HD51.3D4R0~85m/s ヒータ内蔵 HD51.3D4R-AL0~80m/s 高出力ヒータ内蔵
■測定範囲0~85m/sまたは0~80m/s、分解能0.01m/s
■ヒータ標準装備、HD51.3D4R-ALは80W高出力ヒータ
■アナログ出力(2出力)およびデジタル出力RS232C/RS485/RS422、
Modbus-RTU/NMEA/ASCIIプロトコル
■MIL規格MIL-STD-810G準拠防錆・耐塩害ハウジング
超音波風向風速計とは
超音波風向風速計は、対向する一対の超音波トランスデューサ間を伝播する超音波パルスの伝播に要する時間を双方向で測定します。tAおよびtR時間の測定から、対向するふたつのトランスデューサが定める方向の風速成分を、下記の計算式によって求めることができます。
V=D/2・(1/tA - 1/tR)
※D=ふたつのトランスデューサの距離
※tA=前進伝播時間
※tR=後進伝播時間
この計算式により、風速が圧力、温度および湿度に依存しないことを示しています。
2次元超音波風向風速計(HD52.3D他)には二対、3次元モデル(HD2003)には三対のトランスデューサが使用されています。
HD51.3D4RおよびHD51.3D4R-ALは、それぞれ0~85m/s、0~80m/sの強風域までの測定範囲を高精度に測定できる2次元超音波風向風速計です。両機種とも標準でヒータを内蔵しています。ヒータは積雪や氷結を防ぎ、あらゆる気象条件下での正確な測定を可能にします。
HD51.3D4R-ALは急速除霜用の高出力ヒータと、悪雰囲気環境(例えば塩害環境)でも風向風速計の使用を可能にする、防錆コーティングのアルマイト合金製ハウジングを備えています。
風向のアナログ出力では、0˚(360˚)付近での、0˚(最小値)-360˚(最大値)間の“振れ”を解消するための拡張レンジ0~539.9˚の設定が可能です。
当2次元超音波風向風速計はMIL-STD-810G Method 509.6標準(塩水噴霧防錆テスト)の要求を満足しています。電磁妨害に対する高い耐性により、電気的ノイズのある環境での使用にも適しています(例えば産業環境、風力発電サイトなど)。
HD51.3D4RおよびHD51.3D4R-ALは以下の要素を測定します:
・85m/s(HD51.3D4R)または80m/s(HD51.3D4R-AL)までの風速
・風向
・瞬間風速
・大気圧(内蔵センサによる)
10分間まで設定可能な時間での風速、風向の平均値が計算されます。
当風向風速計から得られる出力は以下の通りです:
・RS232C、RS485およびRS422の絶縁タイプシリアル出力、NMEAおよびModbus-RTU標準プロトコルおよびASCIIプロプリエタリープ
ロトコル。
・二つのアナログ出力、風速および風向、または風速のデカルト座標要素U-V用、出力は4~20mA(標準)、0~1V、0~5Vまたは0~10Vに工場設定されます(ご発注時の指定が必要です)。
当風向風速計はφ40mmの支柱に取付けます。電気的接続は風向風速計の底部に位置するM23コネクタを介して行います。
風向風速計への供給電圧(ヒータを除く)はDC12~30V、ヒータへの供給電圧はDC24Vです。
風向風速計の全てのセンサは工場校正されており、ユーザーによる付加的な調整等は一切必要ありません(フィールドでの校正不要)。
超音波風向風速計は可動部がないため、メンテナンス、サービスコストが著しく低減できます。
■主なアプリケーション
- 風力発電所、太陽光発電所のモニタリング
- 遠隔気象ステーション
- 農業気象
- ビル、建設物、橋梁の管理
- 建設現場、クレーン安全確認
- 港湾、空港、ヘリポートのモニタリング
- 道路、鉄道トンネルの管理
- スポーツ施設、イベント会場
■PCアプリケーションソフトウェア
PCソフトウェアHD52.3D-Sで、風向風速計の設定、リアルタイム測定値のグラフまたは表形式での観察、グラフによるプレゼンテーションの管理、モニタ機能で取得されたデータのプリントまたはEXCEL®形式でのエクスポートなどが行えます。
■テクニカルデータ
HD51.3D4R | HD51.3D4R-AL | |
風速 | ||
センサ | 超音波センサ | |
測定範囲 | 0~85m/s | 0~80m/s |
分解能 | 0.01m/s | |
精度 | ±0.2m/sまたは±2%の何れか大きい値 (0~60m/s)、±3%(>60m/s) |
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風向 | ||
センサ | 超音波センサ | |
測定範囲 | 0~359.9˚ アナログ出力0˚近辺の振れを防ぐため、拡張レンジ0~539.9˚が設定可能 |
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分解能 | 0.1˚ | |
精度 | ±2˚RMSE(風速>2m/s) | |
大気圧 | ||
センサ | ピエゾ抵抗式 | |
測定範囲 | 300~1100hPa | |
分解能 | 0.1hPa | |
精度 | ±0.5hPa、20℃にて | |
一般仕様 | ||
供給電圧(ヒータを除く) | DC12~30V | |
ヒータへの供給電圧 | DC24V±10% | |
風向風速計の消費電力(ヒータを除く) | 60mA、DC24Vにて | |
ヒータの消費電力 | 15W、DC24Vにて | 80W、DC24Vにて |
シリアル出力 | 絶縁型RS232C、RS485およびRS422 | |
通信プロトコル | NMEA、Modbus-RTU、ASCIIプロプリエタリー | |
アナログ出力 | アナログ2出力、風速および風向、または、風速のデカルト座標U-V 出力は4~20mA(標準、最大負荷500Ω)、0~1V、0~5Vまたは0~10Vから選択 出力は電源供給から絶縁されています |
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測定インターバル | 250msから1秒まで | |
風速平均計算インターバル | 1秒から10分までで設定可能 | |
瞬間風速計算インターバル | 1秒から10分までで設定可能 | |
電気的接続 | 19極M23オスコネクタ | |
動作温度 | -40~+60℃ | |
保護等級 | IP66 | |
防錆テスト | MIL-STD-810G Method 509.6準拠(48時間暴露+48時間乾燥) | |
耐久限界風速 | 90m/s | 100m/s |
重量 | 約640g | 約1.4kg |
ハウジング | ASA樹脂、アルミおよび AISI316金属部品 | アルマイトアロイおよび AISI316 |
取付け方法 | 外径φ40mm、内径φ36mm、マスト取付け |
注:校正成績書、校正証明書は0.1~60m/sの範囲内で可能です。